調理師は、調理師法(昭和33年法律第147号)で「調理師の名称を用いて調理の業務に従事することができる者として都道府県知事の免許を受けた者」とされています。
調理師は、外食産業の中で調理業務を担当します。外食産業とは、各種飲食店、ホテル・会館の料理部門、特定給食施設など人々に料理のサービスをする産業で、日本経済を支える一翼にまで発展しています。外食産業を支える職種は色々ありますが、その中でも調理を担当する調理師は業界の主役と言えるでしょう。 また、飲食店などでは、調理師を置いて調理の業務を行うよう努めなければならないと定められており、調理師の資格はますます重要なものとなっています。
調理の仕事は材料の仕入れ、下処理、調理、盛り付けなどが流れ作業で行われ、たいていの調理場では分担して行われます。各々の担当は年期によって決められ、年期を積み技術の向上に伴ってより高度な技術を要する調理を担当することになるのが一般的です。実力次第で年期を経ずして現場の責任者になることもあり得ます。なお、料理長などの責任者になると、実際の調理だけでなくメニューの立案や材料費(原価率)の計算なども大切な仕事になってきます。
職業的な特性としては、サービス産業ということで勤務体制が早朝から夜間に及ぶことや、休日勤務が多いことなどがあげられます。また、包丁で食材を加工する手先の器用さや盛り付けなどの美的感覚が求められる一方、大量の料理をこなすことから体力も必要とします。さらに、料理をサービスする仕事なので常に健康で清潔に保つ意識も大切です。
このように調理師は非常に厳しい職業ですが、学歴に関係なく自分の実力だけで生きようと志す人や、人にサービスをすることに誇りを感じられる人に向いた仕事であるといえるでしょう。